新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

テスト中なのに

なぜかFF7の続きを思い切りやってしまう(笑)



主人公クラウドが、自分が実は人造人間であることを知らされ、人格が崩壊した状態で浜に打ち上げられているところまでやった(微妙に説明が違うが一から詳しく説明すると勉強できなくなるのだ)

FFのパターンの典型だと思う。今まで自分で道を選び、生きてきたと思っていた主人公が自分の本当の過去を知り、存在意義を見出だすという場面だ。







関係無いが今日倫理のテストがあった。日常の中で立ち止まり思考し、己の選んだ道を責任を持って行く。これが人間の理想の形なのかもしれない。しかしみんながこの慌ただしい毎日でいちいち立ち止まり考えていてはこの社会は大きさを維持できないだろう。



そこで人々は思考を停止し、テストにある「他の人々とまったく同じような、また他の人々が彼に期待するような状態になりきってしまう」のだ。

個人的な自己を自ら捨てることで、自分の行いに対する内省が生み出す孤独感や不安感は無くなる。





ところがそれと同時に「あなたがあなたである必要は全く無くなって」しまうのだ。エーリッヒ・フロムによるとこれを自己の喪失というらしい。

感覚が完全に麻痺し、この社会に「適応」仕切った大人達にはあまり見られないが、若い人々は日常の中で己の哲学することを放棄しながらも、そんな状態を時に恐れ、少しでも他人と違う存在でありたい!自分だけの存在でありたい!という思いに駆られる。

煙草→麻薬を吸ったり、ピアスを付けたりして、俺は奴らとは違う!特別な存在なのだ!と自分の中で規定しようとしたりする。

そんなことをしない人でも、特に若いうちは「その他大勢」「etc」と呼ばれることを恐れ、自分の内面では個性の2文字を追い掛けている気がする。だが完全に自己を喪失仕切った大人達は若者がそのような行動をとることを決して好まない。大人は自己を模索するよりも、この社会で「幸せ」と定義されるものに向かってひたすら勉強に邁進して欲しいのだろう。







そして若者は皆悩む…。

彼等にぴったりのゲーム、それはFFである。



社会の中で天真爛漫に、または自分のやりたいことを探しながら生きてきた主人公が冒険の中で自分が今まで全く知らなかった自分自身と出会う。



いわば仮想空間の中での自分探しだ。おそらく同年代くらいの若い主人公はたいていカッコいいルックスをしていて、可愛いヒロインや楽しい仲間達に囲まれ、自分で道を選びながら冒険を続ける。まさに冒険ものの醍醐味。



しかし自分の存在が他人に企図されていたものであったことを知った時、また自分の存在を真っ向から否定された時、主人公は激しく思い悩み、挫折する。

この状態は現実ではなかなか味わえない。なぜなら一見完全に見えるこの世界では、その他大勢であり続ける限り自分の存在が根底からひっくり返るなんてことはなかなかないからだ。





あえて挙げるとすれば死の恐怖。まあこれでさえも普段から死にさらされているわけじゃないし、若いうちは全く感じなくてすむ。

しかしもし大地震が起き、日常が完全に崩壊したらどうしますか?完全に見える現代社会が大自然の脅威の前にあっけなく崩れ去る。その上肉親を失ったりしたら。おそらく僕ならFFの主人公のように激しく思い悩むだろう。



「なんで俺なんだよ!!なんで俺に限ってこんな目に!!」



しかし地震なんていつくるか全くわからないし、もし上のような状態になったらなんて考えられない。いや、考えるのを「停止」している。

だからせめてFFの中の主人公を第三者から眺めて考えるのだ。



彼はこれからどうするのだろう?立ち直れるのかな?いや立ち直ってくれ!頑張ってくれ!と。

プレイヤーは主人公と一緒に冒険してきて、自分の分身のような思い入れがあるのだから、ある意味では日常を破壊され悩む自分を客観的に見るに等しいからだ。



そして主人公は他人に企図された生きる意味をさらに否定し

「今まで生きてきた俺は間違いなく実存しているんだ!お前ごときの人形であってたまるか!俺はお前を超えてやる!自分の満足できる人生を生きてやる!!」(おお、まさに実存主義笑)と創造主に反旗を翻し、自分の新しい存在意義を造りだすことで悩みから開放され、一気にエンディングへと突き進む。





これはプレイヤーにとってかなりの快感、カタルシスである。なぜなら自分自身で自分の生きる道を規定できた瞬間だから。仮想空間とはいえ心が浄化される。







だからFFは売れるのだ。スライムなんかには負けないのだ。

なんかいつもと同じく支離滅裂な文章だな…まいいや。個人的に好きなのは9でジタン(主人公)が自分が本来自我などもたない兵器のひとつとして作られた存在であることを知らされ、挫折してしまうところ。

自分の問題は自分で解決しようと、もやもやのまま仲間を捨てて創造主のもとへ向かうジタンを、仲間達は必死で助け、ジタンも自分を支えてくれる仲間に感応し、本当の自分を掴みとるところ。





実際ジタン一人で戦闘が続き、プレイヤーも主人公キャラ一人で戦う辛さや苦しさを味わうことになる。

他人と完全にわかりあうことは不可能だが、支え合うことは不可能じゃない、と思い感動する。BGMもグッド。10のほうが心に響いたけど最初にやったのが9だったから深く残ってますな。







さてと、クラウドはこの後どうなるのかな〜?…その前にテスト勉強しなきゃ…