新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

文体??

文体といいますか、何か特色を持った伝達手段を持った人の表現には、その人の魂のようなものが乗り移っている、そう感じる時がしばしばある。





例えばこんなコピペがある。

普通の文章「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚いて振り返った。」





ラノベ「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁとか、そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。」



山田悠介「後ろで大きな爆発音の音がした。俺はびっくりして驚いた。振り返った。」



村上龍「後ろで爆発音がした、汚い猫が逃げる、乞食の老婆が嘔吐して吐瀉物が足にかかる、俺はその中のトマトを思い切り踏み潰し、振り返った。」



佐藤藍子「最初から爆発すると思ったので振り返りました」←これはネタw



古館伊知郎「仮に爆発があったとしても、何がいけないんですかねぇ?」



柳沢敦「急に爆発が起きたので」



ケータイ小説「ドカーン!私はふりかえった。死んだ。」



みのもんた「どうなのよみなさん? もうね、爆発してもらいたいね」



福本伸行「関係ねえ 爆発なんか関係ねえんだよ‥‥‥‥‥!オレだっ‥‥! オレだっ‥‥‥!オレなんだっ‥‥‥! 肝心なのはいつも‥‥!(ざわ‥‥ざわ‥‥)」



久米田康治「爆発・・・・ 爆発ねえ・・・・。この程度で爆発ですか!世の中には、もっと恐ろしい爆発が存在するのです!」



久保帯人「爆発…だと…?」



岸本斉史「これほどの爆発とは…たいした奴だ」



荒木飛呂彦「爆発など無駄無駄無駄無駄ァアアアアアアアア!!URYYYYYYYYY!!」



英語の教科書「Q:この音はガスが爆発したのですか?

          A:いいえ、爆発したのはトムです。」



村上春樹「やれやれ、そして僕は爆発した。」





割と俗っぽい例が並べてあるが、なかなかよくできているものである。

名著を持つ作家はもちろん、独特の表現をする漫画家、個性派のブロガーや、アナウンサーに至るまで、「言葉」を扱うベテランにはその魂が言葉に憑依しているのではないだろうか。

流麗なものや精密なもの、思わずニヤっとしてしまう一癖あるものまで、人の数だけ文体もあるけれど、そういった人間が表現にこめた息遣いのようなものって、非常に味わい深い。



まあ、今日はそんなことをチラリと思っただけです



僕は文体なんて大層なものを持つに至らない人間だけど、書くことは好きなほうなので、いつかそういったものが文に沁み込むといいな、と秘かに願っているのだ。