東京スカイツリー
10日のことになるのだけれど、東京スカイツリーを親父と見てきた。
新聞でもニュースでも露出が多いけれど、間近で見るのは初めてだった。
以前から、「何メートルになりました!」っていう報道を目にする度に、建造物の高さを競うなんて前時代的な営みだなあと、やや冷ややかなことを思っていた。
実際にそびえ立つ白い鉄塔からは、圧倒的な存在感を感じさせられる、親しみのような感情は生まれなかった。
しかしスカイツリーの周りには多くの家族、恋人が集まり、寒さの中、皆で同じ塔を見上げながら語り合っていた。
笑顔で興奮気味におしゃべりする子供、しみじみと塔を見つめる壮年の男女、互いに写真を撮りあう若いカップル…
巨大な象徴を囲んで休日の時間を悠々と過ごす彼ら、彼女らの姿を目にするとほっこりとした気持ちになった。
一つのシンボルを通して、コミュニケーションが生まれ、それが温かい思い出になってゆく。
そういった営みを年月をかけて積み重ねていけば、きっといつかはスカイツリーも東京タワーのような味な存在になれるのではないか、と思った。