新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

魔法少女まどか☆マギカ

ネットやたら大騒ぎされていたけれど、蒼樹うめのキャラが好きじゃなくて見ていなかったまどか☆マギカ。大変な作品だった。。。

虚淵玄ニトロプラスFateのゼロの作者)脚本、梶浦由紀(空の境界他)音楽、新房監督、シャフト制作という、まあターゲッティングが明確な罠。
絶望でも型月の世界観でもなのはでも無いけど、ファンサービスの起源をそこにおいてご機嫌伺いをしつつ、新しい魔法少女ものを意図通り作り上げている。

普段何気なくとらえている希望とか夢、心という概念を、あらがうことのできないパワーバランスを軸にして論理的に破壊していく、そういった虚淵玄の人間讃歌は僕の魂をとらえてやまない。
行間に任せて追い討ちを避けて雰囲気で魅了しようとする西尾維新の作品よりも、救いようのないところまで追い込みをかけに来る虚淵玄の物語は、背徳の甘い蜜にまみれている。
逃げ場を無くした少女たちの末路は同情の中にも、裏に加虐心をそそる。

正義と悪、希望と絶望、夢と現実、そういった表裏一体にも関わらず日常生活では逆説的にとらえがちな頭にガツンとパンチをくらわせる、そういった作品になれるかどうか。
素地はできあがっているし軸もぶれておらず、演出もテーマに沿った狂気的なものに仕上がっていると思うので、今後はリアルタイムで見守っていきたい。