新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

遅れている

昨晩、僕は上智新聞の元同僚で、今はめでたく関西で記者をやっている男を囲んで飲んでいた。
この週末は新聞時代の先輩の結婚式があったため、彼も帰京していたわけである。
後輩も交えて新宿のダンスオブフラワー(日本語的に言うと華の舞)で杯を酌み交わし、彼の深夜バスが発つ時間が間近になった。


「いや、俺バスどこから発車するかわからないんだよね。住友ビルってことしか。」


デジャブ、間違い無くこれはデジャブだ。
その先に事故が待っている可能性があるにも関わらず敢えてリスキーな選択をするこの風土。そう、その時僕らは完全に遅れていた。遅れすぎて明らかに新聞局時代に戻っていた。

部室で洗っていない犬のようなにおいをさせながら惰眠をむさぼっていると印刷所から「この画像差し替わってないんだけど!」「罫線更新してないじゃん!」「もう時間がないからデータもって直接印刷所来て!」的な電話がかかってきて焦るような感じ。
もしくは旅行に行くと時間ぎりぎり、もしくは見切り発車のスケジュールで行動するため電車の乗換で3時間待つような感じ(僕たちの旅行のほとんどは鈍行の旅だった)。
書けば書くほどわからなくなるこの雰囲気である。

そんな内輪ネタはさておき。
結果的に彼はオンタイムでバスに間に合い、味をしめたような顔で笑いながら僕らと別れた。

「悪いが俺はくそ楽しませてもらった」
彼のソウルは関西でも健在なようだった。そして僕たちも変わらないんだろう。そういう部分は。

彼を見送ったあたりであまり鳴らない僕のスマホにメールが。
今度は某中学受験塾の講師からだった。
「中野にいるけど、ダーツしない?」
ある予感がした。
新宿から中野に降り立つとスーパー土砂降りタイムだった。
中野のモスで瀟洒なスーツを着たDK先生は、中野にダーツのできる店があることをよく知らないままに僕にメールをしたと明かしてくれた。
土砂降りの中、東京に来てから6本目になるビニール傘をさしながら、中野をさまようこと数十分。男二人で気軽に入れる店は閉まっているか存在しなかった。

僕はとりあえず家に帰ることにして、翌日が休みというDK先生も必然的に我が部屋にやってきた。予感は的中した。

DK先生は僕のパソコンで自分の住みたい物件探しを始め、僕は一人カナディアンクラブを飲み続けた。その後、日付が変わった時間にY田に迷惑電話をかけたり、AKBのPVと政見放送をほぼすべて見た。
「これはやばい」
と思い僕らは就寝した。
4時間後、案の定ヘビー級の二日酔いと腹痛が僕を包み、月曜日を呪いながら出勤。
同期の女の子に
「酒臭い」
と爆笑されながら言われてトイレに走り顔を洗ってうがいをし、明らかに不健康な顔を鏡に晒しながら、僕はもう、生まれ変わりたかった。


でもこれからも変わらないんだろう、そういう部分は。
遅れてるな〜