新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

 ロースおじさんとWebマーケティングとの関係を考える

 僕が最近更新を楽しみにしているコーナーがある。
 ホームページ作成サービス「グーペ」ブログ内で、キャラクター「ロースおじさん」
http://goope.jp/service/character/
がユーザから寄せられた質問にアブノーマルかつ人生経験に裏打ちされた回答を返してくれる「とんかつQ&A」というコーナーである。
http://blog.goope.jp/?cid=9

「とんかつQ&A」をご覧いただければわかると思うが、一見普通の人生相談を下ネタと極論にまめした後に具体的な解決法やモデルケースを提示し、最後はおじさんが暴走するというブログになっている。

一見破天荒にも見えるこのコーナーだが、実は結構緻密なサービスマーケティングの上に成り立っているような気がしている。
あくまでぼんやりとだがそう思う理由を分析してみよう。


【サービス特性の前提】
「グーペ」は株式会社paperboy&co.(http://ja.wikipedia.org/wiki/Paperboy&co.)が
運営するホームページ作成サービス。企業理念「もっとおもしろくできる」をインターネットで実現できるような
低価格・高機能・ハイセンス・オープンソーシャルなインターネットサービスが特徴。
クリエイティブな個人をターゲットとしている。


理由1.アブノーマルに振り切った明快さを持ちつつもギャップを備えたキャラクター
「Webはバカと暇人のもの」で有名な博報堂出身の中川淳一郎氏が提唱する、Webでウケる(話題を呼ぶ、波及する)要素は以下の10である。
1:ツッコミどころ
2:親近感
3:新しい視点
4:テレビで紹介、人気
5:Yahoo!トピに取り上げられる系
6:モラルを問われる
7:芸能有名人関連
8:エロ
9:美女美人
10:時事性

 全て同意はできないがこの説に僕は多いに賛同している。
さて、サイト上のプロフィールには無難な内容しか記されていないロースおじさんだが
ブログ「とんかつ教室」では無類の小学生好きで基本的に下ネタしか言わないという
振り切りっぷり。しかし、途中では意外にマジメに経験談を交えた首を立てに振らざるを得ないアドバイスをしてくれ、最後はアブノーマルに暴走してしめるというスタイルがきれいに出来上がっている。
 情報が氾濫しやすいネットでは明確なキャラクタが求められる。「ハンパない」「すごい」「とんでもない」といったキーワードが跋扈する中ではどのようにしてユーザの印象に強力な爪あとを残すかが命と言っても過言ではない。
ロースおじさんは「ツッコミどころ」「親近感」「ユーザに無かった新しい視点」「モラルを問われる(倫理的にアウトw)」「エロ」「時事性(話題にはシーズンやその時々の流行を意識したネタが随所に見られる)」を満たしている。
TVなどのマスメディアは一切用いていないため多くは拡散しないものの、Webで拡散する、Webで受注するというグーペというサービスの広告塔としては効果的なキャラクターと思われる。


理由2.コア層によりながらも、間口の広い知性的な話題を混ぜる
 しばしば人気アニメ、ゲームで登場する懐かしい用語や中学程度で学習する用語を比喩として多用している。こういった「知っている人はクスッと笑ってしまう」用語は、「次は何が出てくるのだろう?」という読む者の好奇心をくすぐってやまない。
また、すでに語りつくされたその用語の言霊(すでに言葉が持っている認知、波及力)を活用することで0から始まるストーリーを色濃く彩ることができる。
もともと情報発信意欲を持ち、ある程度の知識を持つ層、かつアニメ、ゲームといったサブカルチャー的話題に親和性のある「インターネットユーザ」に対して効果的なアプローチだと感じる。


理由3.読みやすいボリュームと構成
 長くとも1.5スクロール(測定していないが1000〜1500字くらい?)だろうか?Twitterでは物足りないけれど長時間は読みきれない、そんな短気になりがちなユーザニーズを満たすほどよい長さである。1で挙げたとおりユーザの質問にツッコミを入れる起、そこから下ネタを交えて砕けていく承、そのままゲスなテンションで突き進むのかと思いきや洞察力に裏打ちされた転、最後にボケか暴走に終わって読者の気分を盛り上げて読後まで勢いを与える結と、起承転結に基づいているのでリピーターほど読みやすい。
個人に近いとはいえ店舗ビジネスに月額いくらで利用するサービスは、アマゾンでの買い物とは違い「即カートへ!」とはいかないはずだ。そういった意味ではホームページ作成サービスの「グーペ」にとってサイトにリピートしてきてもらうことは重要な要素だし、そのモチベーションになりやすいコンテンツを備えることは無意味ではないと思う。


明らかに憶測に過ぎない要素もあるが適当に考えてみただけで上記のような要素がある。
よって一見タダのおもしろブログだが情報発信をする上で参考になるところはたくさんあるような気がする。

何より、書いている人は本当に楽しみながらコレを書いているんだろうなあと、モノ書きのハシクレ中のハシクレとしては羨ましくなるブログだ。

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