新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

LINEは世界プラットフォームの夢を見る? LINEカンファレンス“Hello, Friends in Tokyo 2013”レポート

世界を相手にしたサービスって、月並みな感想ですが果てしなくでかいですね。
どうも僕です。

2013年8月21日に開催されたLINEカンファレンス“Hello, Friends in Tokyo 2013”へ参加してきた。



スマートフォンアプリ「LINE」のこの一年間の歩みとこれからのビジョンを発表するこのイベントはその勢いを象徴するかのごとく、LINEキャラクターで舞浜アンフィシアターを埋めていた。

LINEは2013年7月で世界2億DLを超えた。その比率は海外80:日本20。アジアを中心としたグローバル展開を急進した。
LINEはスマートフォンを通じたコミュニケーションの活性化だけでなく、災害時に備えた地方公共団体へのインフラとして活用されるなどの貢献を見せている。

ゲームの総ダウンロード数は1億9000万を超え、天気、占い、漫画などのコンテンツアプリもヒットするなど、単体のメッセンジャアプリからあらゆるコンテンツを届けるプラットフォームへの進化を遂げている。

また、一部では失敗したのではないか、とささやかれたLINEのタイムラインだが


世界では7300万ユーザ(330%成長)デイリーアクション5400万、日本国内では2900万ユーザ(220%成長)に利用されている。Facebookが1500万前後とするとなかなかのアクティブである。

LINE事業の売上だが、昨年の3億円にたいし

98億円(3257%成長)としている。

SNSやアプリではビジネスモデルが広告などに限られているためLINEは4方面でのビジネス展開をすすめてきた。
1.スタンプ販売
一万以上の種類がある有料スタンプ。

昨年3億円を売り上げたが今年は10億円を売り上げた。
従来のガラケーのデコメ市場に対し新しいスタンプ市場を作り上げたとのこと。アプリをまるごと着せ替えられる機能も強化予定。

2.アイテム課金

関連アプリ内アイテム(ゲームで利用するアイテム)課金の売上は31億円(スタンプ含む)。
世界の売上額ランキングではApp Store2位、Google playでは1位。

3.法人向けマーケティングソリューション

企業が消費者に情報を有効に伝える手段を公式アカウントで提供。より多くのユーザとつながる手段としてスポンサースタンプを用意

4.キャラクタライセンス事業

スタンプ登場キャラクターの世界中での商品化を開始。現在売上4億円
「LINE FRIENDS」のブランドで世界展開を拡大していく。キャラクターのTVアニメはアジア三カ国で放映中で、今後も拡張予定。


今後のプラットフォームゲートウェイとは?

パソコン通信全盛期はヤフーなどのポータル、ガラケーの全盛期はiモードなどのキャリアがニュース、音楽、画像など各種コンテンツを届けてきたが、

スマートフォン時代にはLINEが軸となり各種コンテンツを届ける世界10億人規模のグローバルプラットフォームを目指すという。

新機能として


LINEウェブストアをリリース予定。クレジットカードが未普及の国も多いため、決済方法をクレジットカード以外にも用意して市場を拡大するという。日本では3つのコンビニで決済用プリペイドカードを販売予定。

ビジネスパート


テレビや雑誌に広告費の多くがかけられている現在、モバイルはユーザが費やしている時間に対し広告費が少ない状況で、今後その費用は増えていくことが考えられる。それをチャンスととらえ、法人向けのソリューションも強化していく。

100社を超える公式アカウント、中小企業向けLINE@は11000を超え、企業にとっての顧客接点として利用されている。

従来の広告は「広告」として見逃されがちだが、2億3000万の規模の友人同士のコミュニケーションが動いているため、そこに同じ流れでメッセージを送ってもユーザーから嫌がられにくい、と話した(う〜ん・・・)

ローソンは1000万人を超える国内最大のリーチを獲得し、50万人の店舗誘導を実現した。

また、企業は自社商品をユーザに想起させるスタンプも利用可能。

コアラのマーチではダウンロード期間中売上が116%となった。


さらに、商品を店舗で購入し、商品に記されたコードを入力することでスタンプが入手できるマストバイスタンプを実装。JT桃の天然水では4週間で20万本販売、16%売上を向上し、高い費用対効果を出したという。


ここでゲストトークとしてLINE公式アカウントを12月から運営しているソフトバンクが登壇。
当初は3月、4月の学割販売施策に貢献するために若年層のリーチに強いLINEを導入したが、現在は来店促進に活用している。
店舗に訪れた人へレトルトカレーをプレゼントし、シリアルコード入力でお父さん犬のスタンプが手に入る、マストバイではなくマストvisit方式で活用。
初速一週間でのラインによる店舗誘導は効果的。特徴として、キャンペーンをやっていることの実施認知は他メディアと比べると非常に早い。詳しい内容認知もメッセージ内に書いた内容は認知される。(一方で書いていないものは売れない)TV視聴率に効果を換算すると7%くらいになるとか。リンククリックも従来の広告と比較しても良好。お父さん犬のスタンプは四回実施したものの、マスCMや他メディアとの連動時の絵柄を使ったものが一番DL数が伸びた。
課題としては、配信ターゲティングや絞り込みが弱い点、長くアカウントを続けて規模が大きくなるほどコンバージョン(商品購入、キャンペーン応募等)は下がってくることを挙げた。


また現在最速ペースでユーザを確保しているマクドナルドも登壇。
従来のメルマガという1400万人を超えるメディアを持っていたが、若年層が確保できていない点からLINEを導入。400万人を集めている。メルマガ会員とは190万人くらいの重複があるが200万の新規拡大ができたという点に加え、獲得スピードの早さや、メッセージが読まれたり、リンククリックが活発である質の高い層を獲得できたことに意義があるとした。
店舗動員はまだデータがないがイベント誘致の出口調査をしたところ、10%はlineが動機であり、動員力も期待している。
課題としてコミュニケーションプラットフォームに企業が入るほど「うざく」なってしまいLINEの魅力は損なわれないのか?と提起し、その課題を超えた発展を期待している、と締めた。


LINE ゲーム

LINEゲームの定義として、リアルのコミュニケーションの延長上のみを実施する、シンプルなルール、障壁が低い、友人を誘いやすいという点を条件とすることにこだわった。

結果、LINEポップは4.3億円、LINEバブルは1.9億円を売り上げた。今後は日本最大のネイティブゲームノプラットフォームから世界最大を目指すために新タイトルを投入していくという。

LINEレインボーダッシュ、LINEソニックダッシュ、LINEmodooマーブルなど、フランス、フィンランド、ロシア、韓国などさまざまなデベロッパーからゲームを提供できるよう、パートナリングを加速していく。

グローバル戦略

特徴的な価値を提供すること、現地の文化にあったものを提供することを基本方針に拡大していく。

言語サポート、現地で人気のスタンプ、現地企業とのパートナリング、拠点構築ということを地道に繰り返している。最近はスペインとタイの伸びが最近は顕著で、先行アプリのWhats appにスペインでは追いつき、タイでは抜いた。
現地の有名芸能人、人気キャラクターのスタンプ、通信キャリア、端末メーカーとのコラボなど、パートナリングを軸に市場を確保していく。


今年の目標は三億ダウンロードだそうです。


新サービス展開では3つの「C」がキーワード。

CommunicationではVideo Callsを2013年秋リリース予定。3G環境でもスムーズなビデオ通話を実現するという。

ContentsではLINE MUSICを今年中にリリース予定。世界共通の音楽を用いたこのサービスは世界展開を早期に実現するとのこと。

CommarceではLINEモールを2013年秋リリース予定。いつでもどこでも誰もが、売り手と買い手になれるECを目指すとのこと。

LINEは一人一人がモバイルを持つ意味である「電話帳」とその上にのっかっているコミュニケーションを使いやすいサービスで実現させて、世界に打って出るようです。社長の森川氏は「ユーザーファースト」を繰り返した。
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」https://www.google.co.jp/intl/ja/about/company/philosophy/
というGoogle的な思想をそこに感じつつ、LINEはどこまで大きくなるのか、陰ながら応援したいところである。