新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

INTO THE WILD(荒野へ)〜人間の幸福の対象ってなんでしょうか〜

台風一過。どうも僕です。
台風ということもあり映画を見て結婚式の二次会に行って映画を見てジョジョの4部を途中まで読みました。そのうちの一本がINTO THE WILD。

〜あらすじ〜
裕福な家庭に生まれ、物質的に恵まれた環境で育ったクリスは大学を優秀な成績で卒業する。両親はハーバードのロースクールに進学することを望んだが、金で物ばかりを与える親に嫌気が差したクリスは学資預金を寄付し、身分証を切捨て、この世界の真理を求めアラスカへと旅に出る。旅路の中で様々な人と触れ合い、本当の幸せとは何かを知る。

まず驚いたことに実話の青年によるアメリカ冒険記だった。
ヒッチハイクや列車、カヌー等を駆使しアメリカ中を旅した末にアラスカで餓死してしまう。そこに至るまでに出会った人々と接する中で彼の中に芽生える心境の変化、自然の中でのあるべき姿を純朴に求める冒険の日々(アメリカの険しい山、砂漠、海などの自然や生き物がとても綺麗で、アコースティックな音楽もリラックスさせてくれる)を描いている。

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そもそもの旅の動機は両親の不和(DV)による人間関係に対する不信感で、人間はそれ以外の自由、自然、旅、芸術などから本当の喜びを得られるのではないか?というところ。
旅を通じてヒッピー夫婦や家族を失った老人たちと触れ合いつつ、不信感を緩和しながらも、自らの最大の目標であるアラスカでのサバイバルライフ(彼のイメージする究極の自由の形)は揺るがなかった。そしてそれを達成するも、実際は2ヶ月強で「荒野の罠」にかかり倒れることとなる。作中では最期に彼が書いた言葉は「HAPPINES ONLY REAL WHEN SHARED(幸福が現実になるのは、それを他の誰かと共有できた時)」というものだった。


「誰かのことを心から許せる時そこに愛が生まれ、神の光が差す」ということを作中の誰かがセリフで言っていたが彼は最期に両親を許すことが出来たのだろうか?


物資主義的社会アメリカにおける「人生の真理を見えなくする」制約として、家庭、権力、教会、資産、名声などいろいろなものが挙げられていた。日本の資本主義社会で生きている人々も大概はその中で折り合いをつけて(作中で言う「檻に入って」)それらを目標に日々暮らしている。


彼の旅は正直普通の眼鏡をかけてみれば無謀で現実逃避にすら見えるかもしれない。
しかしそう見えてしまう僕自身が人生で喜びを感じる対象が視野狭窄になり少なくなっていないか?気付かないうちに何かを排斥していないだろうか?そう感じる映画だった。☆4.5!
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』予告編 - YouTube

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