新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

新性器エヴァンゲリオン第拾八話 男の戰い~INTROJECTION OF Kosaku Shima~

「知らない、天井だ・・・」

碇シンジは深い眠りから目覚めた。

今まで何度見た風景だろうか。

父に認められたいという一心でエヴァに乗ってからというもの、シンジに安息の日が訪れることはなかった。迫り来る未知の敵に身を焼かれ、精神を犯され、仲間を奪われながら戦い続けてきた。

 

「もう、嫌だ。もうエヴァに乗るのなんて・・・。もう、限界だよ。」

 

父と感情が通うことはなく当初の動機は薄れ、ただ周囲から求められるがままにパイロットとしての役割を「やらされてきた」シンジは限界を迎えていた。

どこかへ、どこかへ逃げたい。衝動に駆られたシンジはベッドから起き上がろうとした。

刹那。その刹那。

 

彼の菊門を鋭い痛みが貫いた。

 

 

「クッ!使徒ッ!?エヴァに乗ってないのにこの痛み・・・!?」

 

「いやな仕事でえらくなるより、好きな仕事で犬のように働きたいさ、いや、今は馬のように、とでもいっておこうか・・・」

 

自分の秘芯を一寸の隙もなく蜂のように刺した男の名前を、シンジは知らなかった。

その男の名前は島耕作という。

島は電光石火の侵入を敢行しながらも、逃れようと抗うシンジに圧をかけ押さえつけていた。島は男根の世代の男である。

 

「離してよッ!何で僕がこんな目にっ!もう僕は嫌なんだ!逃げたいんだ!」

 

この環境から、特に今自分が置かれている苦境から、シンジは一刻も早く抜け出したかった。

 

人生は自分で動かすものだ。これから死ぬまで、誰かに指図される人生できみは幸せか?

 

シンジの悲痛な叫びなど一向に関係なく、島は動き始めていた。主な功績が上司の愛人を寝取っただけにもかかわらず、いまや会長まで上り詰めた島の、ハツシバの歴史の刻み込まれた燃料棒がシンジを蹂躙する。

 

「だって、アスカだって、ミサトさんだって、あの綾波まで、僕にエヴァに乗れって言うんだよ!だから乗ってきたさ!でも!でももう限界なんだよ!」

 

「女は怖いよ、彼女たちの世界は自分の論理で動いているんだ。でも大半の男は残念ながら彼女らに承認されることでしか幸せを得られない。君も男なら女性からの承認欲求のままに動いている自分を認めたほうがいい。

ん?俺か?俺はこう考えている。固い信念を持って生きていても、そのこだわりが間違っていたら一生、間違ってしまう。だから、イイトコ取りが出来る柔軟さが大事ということさ。固いだけでは駄目ということさ。」

 

放った言葉に矛盾し怒張を一層強めた自分自身を直角に打ち込み、無慈悲な打擲音を立てながら、島はシンジを諭した。しかしそれは人生の酸いも甘いも知り尽くした男であればともかく、若いシンジに受け入れられる言葉ではなかった。

 

「と、父さんだって!僕のことなんか何も知らずにエヴァに乗れって!乗らなきゃみんなが大変になるのをわかってて僕にパイロットを押し付けるんだ!」

 

島は屹立したハツシバ部分をシンジの直腸へ押し当てながら声を荒げた。

 

「上司や環境が理不尽なことは社会、組織で生きる上では避けられない!だが覚えておいたほうがいい、個人的な愛という承認欲のほかに、人間は社会的に成功したいという承認欲からも逃れられない。

ただ一つ言えることは、他人に言われてやっているうちは誰からも認められないということだ。自分が達成したい野望を持ち、それを達成するための道のりを自分で開き、仲間と成し遂げろ。言われるままでは自分の殻は破れないし、そのことを他人のせいにするだけでなく、更に自己嫌悪も増していくんだ。」

 

 

「(他人の・・・せい・・・)」

 

 

その時、暗かったシンジの双眸に赤い光が宿った。振り返ってみれば、最初は父ゲンドウに認められたかった一心で乗ったエヴァ。父に認められるレイが乗り続けるエヴァ。その思いはいつしか想いへと変わり、自分自身を支配した。

やがて周囲はシンジをパイロットとして扱い始め、パイロットとしての役割を求め指示し、彼はそれに答えてきた。「周囲から求められ、愛される自分」それを欲する自分を意識しながらも目を背け、ただ受動的に「みんながやれっていうから」と言い聞かせてきた自分・・・。

 

淡く、シンジの脳裏に白い光が広がり、インリン・オブ・ジョイトイの物欲しげな表情が浮かび、そして消えていった。

 

「ようやく気付いたか。今の俺は君の中に種をまくことしかできない。だが君には、君にしかできない、君ならできることがあるはずだ。誰も君に強要はしない、自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。 まぁ、後悔の無いようにな。」

 

島は小刻みに震えながら言葉を振り絞ると、もはや限界を迎え痙攣するシンジの菊座を秒速5センチメートルの早さでなぞりながら、硬度を保ちつつ牙突した。

 

「Say ho...放精...よし。人生は自分で動かすものだ。これから死ぬまで、誰かに指図される人生できみは幸せか? 」

エントリープラグをパージすると、島はガウンを羽織り、感慨深い面持ちで立ち去った。

 

・・・

 

 

頭が重い。未曾有の気だるさが全身を包み込んでいる。

島の精神汚染は、絶望寸前だったシンジを再起不能にするにふさわしかった。今までの大人たちの言葉がシンジにとって糞の垂れ流しに近かったように、今回の経験もあからさまな毒性として嫌悪、憎悪対象になる・・・

はずだった。

 

 

彼はベッドから降り立ち一歩、また一歩歩みだそうとしていた。

 

 

「僕は・・・僕のためだけに・・・」

 

 

 

肉体言語、という言葉がある。島の言葉は五感と脊髄に響き、シンジを覚醒させていた。

 

 

 

綾波・・・スケベしようや・・・」

 

 

 

仕組まれた子供たちの扉が、開かれた。 


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