新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

「まわす」仕事と「新しい」仕事

休み明けには3時間残業でもつらい。
どうも僕です。

学生のときは使わなかった言葉で、社会人になってから多用するようになった言葉に

「稼動」

という概念がある。

稼動とは・・・
1 かせぎはたらくこと。仕事をすること。就労。「―人口」「―日数」
2 機械を運転すること。また、機械が動いて仕事をすること。「最新鋭機が―している」

というのが国語辞典の回答だが、一般的に社内では個人の労働キャパシティの意味で使われることが多い。

「この仕事を頼みたいんだけど、稼動は大丈夫ですか?」

「本当は対応したい仕事なんだけど、稼動が間に合わなくてなかなか・・・」

こういったテイストで社会人チックな会話を日々交わしたり交わさなかったりするのである。
勤め人である以上は給料の対価として会社⇒部署⇒チームの順に貢献を求められる。
貢献≒仕事には主に2種類あると僕は思っている。

1.既得権益を守る「まわす」仕事
 企業として既得権益をしっかりと得ることは至極当然のことである。「不当に」得ることは社会悪だが、全うにその企業が得られる権益はしっかりと得ていかなくてはいけない。
その企業がすでに得ている収入の勝利の方程式を、淡々と機械のようにまわし続けること。

 勤め人の義務としてこの仕事は当人の「1稼動」の中で完遂しなくてはいけない。
「社会の歯車」という言葉は悪い意味で使われることが多い印象だが、法人と個人が互いの食い扶持を得るための最低限の契約行為なのだ。仕方ない。

2.付加価値を生み出す「新しい」仕事
 すでにある仕事を当たり前に「まわす」ことに加え、+αで今までになかった企業、社会に対する権益を生み出すこと。
 今食っているメシの種ではなく、新しいメシの種を生み出すこと(新サービス、新アイディアの創造)や、今より安く効率よく今のメシを食う方法を編み出すこと(コスト削減、改善活動)ができるようになることが「社会の歯車」から「考える葦」に進化するひとつの方法だ。

ベンチャー企業や市場のチャレンジャー、イノベイターでなければ新しい価値が生み出せないわけではない。一般企業の会社員どころか大学のサークルだってバイトだって+αを生むチャンスや改善の余地なんていくらだってある。

しかし会社員の難しさは「まわす」仕事を自分の限られた時間と能力でこなし切ることの難しさにある。
義務である「まわす」仕事をほっぽりだして「新しい」仕事で夢を見てばかりではいけないし、理想が先行するあまり本業である「まわす」仕事の細部を見落とし、新しい価値を生み出すどころか中途のどこかで挫折することは想像に難くない。

よって

「いつかやりたいんだけど稼働が・・・」

と頭の隅にアイディアや改善活動の種が山積しがちだ。実際、僕も2年目の半ばまで「まわす」仕事で稼働がオーバーロードするあまり、+αや今回っているものを改善するところまで手が届かずにいた。
だけどやりたいものはやりたい!


(もう歯車を回すことだけで疲れるのはやだ〜)

ということで意識とやり方を変えてみることにした。

・「新しい」仕事は趣味。準備は楽しみながらプレイベートで
なにか新しいことをするには戦略が必要だ。
かの果敢な投資で知られる孫正義氏も「練りに練って勝てると踏んだ投資しかしない」そうである。
そのためには自社、顧客、競合といった王道的なマーケティングの考え方やそれを裏付ける最新の情報収集が欠かせない。

僕の今の仕事の舞台であるWeb業界の技術や消費トレンドのサイクルが切り替わるのは早い。
机の前で淡々と情報収集するよりも、電車の中、家でのネットサーフィン、通勤時などにまめにインプットを行い、潤沢な仕事環境が使える会社では企画書等のアウトプットに限られた貴重な稼働を割くのが吉だ。
幸い今はスマートフォンという最高のモバイルインターネットパートナーがいる。インプットはプライベートで楽しみながら十分にできる、と僕は過信していますw


・「まわす」仕事の効率を上げる
当たり前のことを当たり前にやっている人間は、その仕事が上達する。当然のことだがもうひとつメリットがある。
周囲の人を味方にできるということである。何か新しいことをやろうとした時、一人でやることは絶対に不可能である。どんなアイディアも組織で実施する以上既存の人と仕組みの上に乗っかることになる。
人はなんだかんだ言って感情の生き物だから、「あいつはやるべきことやってないからな〜」という先入観を持った人間が頭を下げて協力をお願いしにきても、自分が仕事を「まわす」貴重な時間を割くことを無意識のうちに厭ってしまったり、優先順位を下げてしまいがちなもの。

新しい価値を作りたい時ほど、「まわす」ことの実績と信頼を積み重ねていることが成功への近道になるのではないかと僕は考えている。


とまあ、感覚でえらそうなことを書いてみたけれど、まだまだ出来ていないところが多くて上司や職場の皆様におんぶでだっこな局面がまだまだあり、当たり前のことを当たり前にすべてできているわけではない。
それでも、今年もあがいてあがいて、少しでも2つの仕事をうまく回して今の自分の「1稼働」を「1.5稼働」「2稼働」にできるようにしていきたいと思う。

そういうモチベーションがあったほうが仕事が楽しいからね。