新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

テレビの靖国、リアルの靖国

今日は終戦記念日、いやまさとのコメントにも書いたけど終戦祈念日。

二度と戦争の惨禍を繰り返さないために過去に思いを馳せる日。

だよね?

それにしてもここ数日、そして今日に極まったテレビのトピックは小泉靖国小泉靖国小泉靖国ばっかりです。別にアンチ小泉じゃないですよ。あの人が無理やりてこ入れして変わった部分はだいぶありますから。信長的発想で破壊を実行できたのは結局他に破壊の業を背負う人がいなかっただけでしょうから。でもそこと靖国参拝はちょっと違う気がする。

総理大臣の地位にある人が参拝するという時点でその行為は外交カードの一つにしかならないのではないだろうか?靖国参拝問題には政治家や国家の思惑が絡んでしまったため、戦争を回顧する行為とは別な行為に変質してしまっている。小泉首相ともあろうおかたがそれを存じていらっしゃらないはずがなく、彼は彼なりの思惑、スタイルの外交手段として靖国参拝をしているようでならない。



普通の靖国参拝自体は決して悪いことではないと思う。むしろ実際にやってみるべきだと思う。実は何日か前大和の映画に触発された?親父と一緒に靖国神社行ってきたんだよね。でかい鳥居くぐって、日本陸軍の祖大村益次郎の像とか見て、今日のニュースでひっぱりだこだった神社にお参りしてきた。

でもそれ以上に印象的だったのが、遊就館という資料館。近代日本の歩みと靖国神社のあらまし、そして戦争の惨禍をとどめる遺品などが見学できる、日本史を学んだ者にとってはじーんとくる資料館。

特に戦没者の顔写真が一面に貼られた部屋に入ったとき胸がこみ上げてきた。若い命がこれだけ散らされたということを視覚的に感じたのは初めてかもしれなかった。また、結婚することなく死んでいった若い兵士、少年兵のために捧げられた花嫁人形のあまりの美しさにとどめをさされてしまった。



でも一つ気になるのがやはり戦没者が神格化されているためか、近代史の部分がいささか愛国ちっくになっているため、軍国主義っぽいものに過剰反応する人は行かないほうがいいかも。ただその点だけ距離を置いて自分なりの筋を通して見学すれば、きっとなにかを感じることができる場所だと思うから、決め付けずまず見たほうがいいけどさ。

自分は戦争末期に軍人が書き残したものやその散り方を見ると、誰もが「一億総玉砕で鬼畜米英に勝つ」というおおきなかぶもきっと抜けるさ的発想で戦地に赴いたのではなく、様々な思いを胸に抱いた人がいたのだと思い複雑な気持ちになりました。

個を飲み込む集団のうねりは恐ろしいんだなと。



まあ小泉靖国報道に目がいきがちだけど自分なりの終戦祈念をしてみた。