本を読まなくなった僕を見つめる大学生の時の僕
どうも僕です。
あけましておめでとうございます。
久方ぶりに小説を読んだ。
最近まったく活字を読まなかったわけではないが、ビジネス書や旅行ガイドブックを読むくらいのことが多い。小説を読むのとはまったく違う行為だ。
本を前者は現実世界をなぞるための情報をダイレクトに得るための行為であり、後者は物語を読み解きながら読者が都合よくメッセージを解釈し、各々が「どう考えるか、どう生きるか」の糧とする行為ではないだろうか。
現実世界にフィットすればフィットするほど、得る情報は現実をなぞるものだけで良くなる。仕事での実力をつけるのであればスキルや自己啓発、実業的な情報を得るべきだし、オフタイムに人とコミュニケーションするのであれば遊び場やグルメの情報を得るべきだろう。いかにせよ、その情報は直接的に時間を豊かにするためのものに他ならない。
一方で小説を読むという行為は自己の世界をかき回し幅を広げるが、それが外的に変化をもたらすことはあるかというと一切ない。その時間は自分だけのために使われる贅沢なものだ。
現実世界にフィットせざるを得なくなればなるほど、その時間の優先度は下がり、所蔵する文庫本の数は減っていく。
それは大人になるうえで至極まっとうなことだが、小説の読書量が減るにつれひしひしとした危機感を感じることがある。
渇望が徐々に薄れていっていることだ。
もっとこんな価値観を知りたい、こんな世界を知りたいという渇望が薄れている。
自分の周りに薄皮のようにまとわりつく義務的な世界に自分をフィットさせることに終始してしまっている。
もう少し、強引にでも読みたくなる本を探して読んでみなければ。
今年もよろしくお願いします。