Y手君の尾てい骨骨折記
三崎はもう少しいいプロモーションができると思う。
どうも僕です。
この話はノンフィクションです。
今日Y手君と三崎のマグロを食べてきた。
そんなことより面白いエピソードがあったので記したいと思う。
8月のある日、Y手は関西へ異動する後輩と飲んでいた。上智新聞時代より、彼のことを気にかけ、かつ愛していた(?)彼にとっては酔わざるをえない飲み会だったのであろう。
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恐らく彼は新宿の甲州街道沿いのガードレールにまたがり、ケツから落ち、ケツを激しく振っていた。その後カラオケに行った彼は満足するまで歌い、朝方自分の部屋へ帰り、あいまいなままに床についた。
眼が覚めた瞬間。その刹那。痛い。
彼の臀部を激痛が襲った。もう尻を下にして寝られない。というかあらゆる行動をしようとする瞬間に激痛が走る。ケツが割れそうだった。
彼は一瞬の逡巡の末、グーグル検索に頼った。「ケツ 痛い」等のキーワードで調べたところゲイ関係の悩みが多数ヒットし彼の悩みを増幅させた。だが彼の記憶にはゲイに掘られた記憶はない。
あまりにも耐え難いため救急ダイヤルを押した。
「あまりにも尻が痛くてその場から動けないんですが」
「救急車呼びますね」
人生初救急車が確定した。
だがしかし。彼はパンツ一丁だった。
「その姿で運ばれるのはまずい」
彼は考えた。
基本的に腰を動かす動作をすると想像を絶する激痛が走るため、床に散らばっている服を拾うのも激痛だった。しかし羞恥心がそれを凌駕し、彼は絶叫しながら服を着た。
エアコンが付きっぱなしだ。場合によっては入院するかもしれない。彼は再び絶叫しながら床に転がっていたリモコンでエアコンを消した。
程なくして救急車が来た。だが彼のアパートには階段しかなく、彼は尾てい骨が触れうる姿勢、つまりあおむけができなかった。しようとしたら絶叫した。
絶叫したら今まで顔を合わせたことが無かった大家の老婆が出てきて彼を見上げた。彼はさりげない会釈をし、救急隊は担架に彼をテープで巻きつけ簀巻き状態にし、水平に彼を運んだ。
その時見上げた空はあまりにも青く、彼はそこはかとない罪悪感を感じた。大家の老婆はそれを見届けた。
簀巻きにされて救急車で運ばれる最中、救急隊員は彼を励ましてくれた。
「もう少しですよ!」「がんばって、大丈夫ですよ!」
垂直姿勢であれば問題なかった彼は物珍しさで救急車の中の写メを撮った
「パシャッ!」
以降
「そういうのいいから」
救急隊員は一気に冷たくなった。当たり前である。おいくら万円の救急車を走らせる対象が酔っ払い。
彼は病院に搬入された。しかし休日。レントゲンを撮られることとなった。
全力で彼のズボンとパンツを脱がせる美人看護師に欲情しそうになったのもつかの間、彼はレントゲン装置にかけられた。寝られない。
寝ると尾てい骨が装置にあたるのだ。結局彼は全力でそれを拒否し、病院は彼に傷み止めだけ与えて放り出した。行きはタクシーだったからよかったものの帰りは公共機関である。
彼は総武線と都営新宿線で、電車がゆれる度絶叫しながらかえった。ちなみに完全に変な人扱いされ誰も席を譲ってくれなかった。彼はすり足で移動した。
ようやく彼は自分のアパートにたどり着いた。エレベータは無い。そこで初めて
「痛み止めを速攻飲んで帰ればよかった」
と気付く。彼は痛み止めを飲み、30分後に階段をのぼりソファーベッドに倒れた。
彼は言う。
僕は思う。飲みすぎんな。
だが彼の人生を嫌いではない。そんな超非合理的な自分がいることを僕は否めない。そして彼から勧められたPriceを満足げに聞く僕でした。
いい秋になりそうです。
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