新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

あいくるしい

今年はなるべくテレビを見ないで勉強するぞ…というのが僕の目標だったが、どうしても妹(困ったドラマニア。1クールに3つくらいドラマを見る)につられて見てしまうテレビドラマが一つ。

「あいくるしい」…形容詞一語がそのままドラマのタイトルというのにどうも引き寄せられてしまった。

あらすじは、ある一家の母親が若くして病気で亡くなり、残った家族がその悲しみを乗り越えみんなで支えあって生きていく、というもの。

最近の傾向としてセカチューやH2、ごくせんのように有名な原作があるというのがあるが、そういうわけではないようだ。ぱっと聞いた分には正直ストーリー性に吸引力は無い。

が出演者に力があると思う。僕の中の演技の神、竹中直人を筆頭に、市原隼人(熱いキャラがいいんでねえの?作ってる感じじゃなくて)、綾瀬はるか(素朴でい〜ね。演技もイモじゃないし。あとさりげ巨乳)萩原聖人、さらに天才子役神木りゅ〜のすけ(だっけ?名前忘れた。ただとにかくイイ!この子には人を感動させる何かがある気がするな)など他にもいい俳優がたくさんいて、それぞれが噛み合って非常にいい味を出してる。

人間関係も割と複雑だがそれを不自然に感じないのはそれぞれの出演者の技量によるものだろうか。

また、このドラマのいいところはセリフや風景が叙情的なところである。

ロケ地は伊豆らしいが、自然がとても豊かなところでたくましく、優しい子供が育っていく様子はまさに都会の人間が見ていて1番心をくすぐられるのではないか、と思う。

さらにその自然を見ながら人々は考え、豊かに暮らす。その様子の一つ一つがスローライフで、美しい。都会でもたれ合いなすり合い、どろどろとした人間のセリフはこのドラマにはほとんど無い。

1番心に響いたセリフは、死が目前に迫った母親が幼い娘を抱きながら寝かしつけるシーンで、母親が娘のかわいらしい寝顔を見て泣きながら発するセリフ。「こんなに早く死んで、ごめんね。ああ、神様、なんてあいくるしい…」この後母親は死んでしまうのだが、自分の死を受け入れつつも、我が子を残して先立つことを神に嘆く母親を見て思わず涙してしまった。

締めくくりに、このドラマのテーマはマイケル・ジャクソンの「ベン」だ。このドラマにピッタリのせつなくもあたたかい音楽だ。

今こそネバーランド騒動やら整形疑惑が先走り、マイケルの楽曲にあまり触れることなく彼の評価は下がり続けている気がする。ひょっとしたらドラマの制作者サイドにマイケルのファンがいて、彼の歌のすごさを世間に今一度知らしめようとしたのかもしれないが。

しかし子供のころからこの驚異的な歌唱力を持っているというのはまさしく天賦のものであり、彼が億万長者になったのも至極当然な気がする。

話は飛んだけど、まあとにかくいいドラマっていうことですな。はい。よかったらご覧あれ