男は度胸!なんでも試してみるのさ
タイトルに反応したそこのあなた、いい廃人っぷりですね。
どうもこんばんは。
今日の午後、日が高くのぼっているにも関わらず午睡をむさぼる僕に妹が告げた。
「なんか改修工事で大工さんがうちをチェックしにくるらしいからこのひどい部屋片付けな」
聞いてないわ〜そんなもん。そして妹はデートにでかけ、僕は洗濯機を回し、部屋を片付け始めた。まず表層部の服、書物、ゲームのケース類を片付ける。これだけでももう部屋の片付けが終わったような錯覚に陥る。まるで仮免をとって「教習所にしばらく行かなくていいや」と勝手に自己催眠をかけたときと類似した症状だ。
しかしそんな僕をある大群が襲った。
陰毛の大群である。
決して全裸やパンツ一枚で生活しているわけでもないのに有無を言わせず部屋中を乱舞する陰毛たち。まあ奴らは時と場合を考慮せず姿をあらわすことがあるニンジャ、現代に生きるSHINOBIみたいなものだからそこまでショックは受けないけど。もっぱら中学高校の柔道場が彼らのホームグラウンドであることはもはや周知の事実だろうと思うが、僕は、彼らが真の忍びであることを裏付けるこんなケースも経験している。
大学のラウンジで、僕はいつも通り孤独に飯を食いながら、隣で密集してキャピキャピいいながら席を独占する女子集団を苦々しい目で見つつ10段階査定していた。
すると!!するとすると!!その女の子が鎮座まします席上には、アレが2、3本乗っているではあ〜りませんか。その光沢、全長、縮みっぷりからしてそれはどうみてもアレだった。っていうか気付けよ・・・
いや、むしろ気づかないでくれ!!と一人僕は煩悶していたのだった。
それ以来僕は奴らの神出鬼没っぷりにはことごとく舌を巻いている。実は部室にも・・・
まあその話はよそう。
ひととおり部屋が片付き、久しぶりに床に掃除機をかけ、洗濯物を干すと、なにか知的行動をとりたくなって読み途中の澁澤龍彦「黒魔術の手帖」を開きしばし耽った。
いやあなんといっても語彙を豊かにしたかったら本を読むことだよね。最終的には。本ならなんでもいいわな。本はやっぱりその作者の脳みそを漁れるわけだから、いろいろな物を読んだほうがいいよね。
文豪の頭の中でも、流行女性作家の頭の中でも、官能小説家の頭の中でも、なるたけ広く知識を吸収していきたいものです。
「本を読まなくても死にはしない」たしかにそうだ。でも本を読むことで人はたくさんの表現を共有できる。
たとえば「禍々しくそそり立って」いるのか「雄々しく猛って」いるのか。もしくは「もの欲しそうに濡れそぼって」いるのか「なまめかしく誘って」いるのか。同じ現象にもいろんな表現があり、また微妙な表現の差が読者の想像に様々な影響を与える。ならばなんといっても、王道のものから唸りたくなるようなものまで様々な表現を使った作者の文章を読めば、やはりそれは頭の栄養となる。
澁澤龍彦などは、ただでさえ神がかった博識ぶりなのに、そんな人間がサドの「悪徳の栄え」などを翻訳するのだからもうカオス全開だ。去勢男、半陰陽、一寸法師、80歳の老婆、老婆の4歳の孫、雄の七面鳥、猿、大きな犬、牝山羊に主人公の女、その友達二人が乱交する奇想天外っぷりは澁澤龍彦にこそ描ける。
近代の鬼才といえる作家は三島由紀夫が最後と思っていたけど、澁澤龍彦もそこに加える必要があると最近まで知らなかった自分は無知だったなあと思う。
まだまだ全てに於いて無知だけど、無知だからこそ楽しい。
あひゃ