新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

微笑みは光る風の中



「えっとさ、お前は一体何のために働いてるの?」



その質問に即答できない自分がもどかしかった。

先週末の結婚式の時の話である。

その友人は留学していたため僕より一年遅く大学を卒業するのだが、

その彼が僕にそういう質問をしてきた。



「別に古いものをぶっ壊して新しいことを始める会社が偉いとは思わないし、

旧態依然とした会社がのさばり続けることがいいとも思わない。ただ一つ言えるのは、

それぞれの会社で皆一生懸命に働いている、ただそれだけだ。じゃあその中で、一生懸命働ける、その動機って何なの?」



たたみかけるように彼は言った。



確かに、僕だって学生の時はそういうことをよく考えていた。

ただ、社会人になってからびっくりするほど自分個人の視点を失っていたんだ、と気づかされる質問だった。

この四月からの自分は「会社の中、業界の中の自分」であり決して「世界の中の自分」ではなかった。

よって、自分の周りの仕事や人間のことしか考えられなかったし、自分が働く意味を、会社以外の人に説明できない人間になったいたことさえ気づけずにいた。

その証拠に、僕個人としての意見というものが昔のように湧きあがらず(感受性が弱ったのかもしれないが)ブログ自体も浅薄な内容となっていた。



入社して半年でこの気づきを得られたことは幸せだと思うが、一方でますますこの意識は薄れ、会社しか見えない人間になってしまうのではないかと、そういった危機感が胸に去来してならない。