ひざまずいて足をお舐め
早朝
暗い街の中を、バイトに向かってチャリをこいだ
バイト帰り
冬の太陽くんは元気がなくて、僕はちょっと彼にシンパシー。冬だもん冬。そんな太陽がくれた控えめな光のシャワーを浴びながら小一時間、公園のブランコに座って適当に音楽を聞き漁った。聞き飽きたはずの音楽が蘇った。
ミスチルのくるみで涙が出た。ミスチルの手紙で鼻水がでた。ほころびで脳がとろけた。ラッドの夢番地に慰められた。淀んでいた感受性がいくぶんか刺激された。
女の子と出会って、恋をして、そして、一生懸命女の子の気を引いて、それからベッドに入るっていうこと、そのプロセスから見捨てられた人達って憐れだよ。青春から見放された人たちは。
山田詠美「ひざまずいて足をお舐め」
SMクラブの女王様が、新人賞受賞の注目作家になった!!
主人公はたしかに普通じゃない。普通じゃなくすばらしい。人間が、人間を見るっていう行為を煮詰めていくとこういう小説ができるのか、こういう人が生まれるのかっていう感想。
女性作家が書いた小説をあまり読んでないことに最近気づいて読んだんだけど、これくらいのにんげん観察眼を持っている女性に会えたら是非話をしてみたい。
本音と建前が激しくぶつかりあう世界で揉まれて、それを知り尽くし、そのさまざまな要素が絡み合う恋愛の真理を語る主人公は、破天荒ながらも憎めない。
男が読むべき本だと思う。
だめだ、今日は文章がかけない