寄稿第二弾〜ひげ〜
どうも僕です。
寄稿第二弾はさっそくというか満を持してというか、彼。ひげ。
大学時代の新聞局と野球サークルで一緒だった彼だが関係性としては新聞のほうが短いにもかかわらず色濃く残っている。
彼との馴れ初めはこれ以上綴れば冗長になるだろう。
それでは寄稿文をば。
寄稿「今宵、ピンクなサロンにて」 ひげ
僕は暇ができると、彼に電話することにしています。
「・・・なんだよ」
まぁ、でっぱなからこんな調子で電話に出るわけです、彼は。
もしかしたらとても重大な話かもしれないわけですよね。例えば、僕らの同期のワイ手くんが危篤状態だ、とか。
でも、彼は決めつけたように「またお前かよ、今日はどんなくだらない話に付き合わされるんだよ」という体で電話に出るわけですよ。
僕にしたっていい気はしないわけですよね。なんだその態度は、と。
ちょっとだけもったいぶって
「落ち着いて聞いてくれ。実は・・・」
とかやって、結局、話すのは、
「今日は素人モノで抜いたよ」
とか
「今日のテーマはフェラだったんだ」
とか、もうちょっと議論が白熱すると
「エロってのは『非日常』のことをいうんだよ」
とかまぁもうかれこれ大学で出会ってからだから都合9年も前からの同じ話をするわけですが。
それで、そんな電話を繰り返ししているものだから、いつのまにか冒頭でご紹介したようなイヤイヤな感じで彼は電話に出るようになりました。ただ、僕から言わせると明らかに彼が〝ソノ気〟になる瞬間があるんですよね。「ほぉ、こいつ始めはイヤイヤだったのに、なんだしっかりソノ顔になってるじゃねえか」みたいなね。ちなみに僕が最も好きなAVのジャンルの一つは、高貴でプライドの塊みたいな女が堕ちる「潜入捜査官」モノです。
彼を堕としたところで、別に僕の性欲が高まることは一切ないのですが、そういう時、当然、僕の方もかなりノリノリなんで、彼につっかかってしまうんですよね。なんかちょっとSっ気が刺激されて。
「そういうことじゃないんだよなぁ」
「お前はすぐそういう風に言う」
「おい、何でちょっと話まとめて電話切ろうとしてんだよ」
たぶん、今、このブログの読者の方々は「こいつ相当めんどくせえな」「安井も大変なんだな」とか同情されたかと思うんですけどね、でもね、よく考えてください。素面でこんなにも管を巻かせてくれる奴なんていますかね。僕はそういう意味で彼のことをとっても便利なオモチャもとい、とっても良い友人だと思っていますし、間違いなく彼も僕のことをとっても面白くて良い奴だと思っているに違いないと確信しています。
で、そんな具合でグダグダな話をずっと続けて僕が彼に突っかかるみたいなことをしていると、大体にして互いにとってのある種の結論にたどり着くことになります。どんな結論に至ったかと問われると、具体的に何かを挙げることは難しいのですが(大体、夜遅くまで話してそのまま寝てしまうので翌朝には何を話したかあまり覚えていないからです)。
でも、このグダグダは互いの意見をぶつけ合って新たな境地に至るという点で、ヘーゲルの弁証法的思索を遂行しています。これは明らかに哲学的な態度であると僕は思っています。
白状しますが、僕にとって彼との電話は「サロン」なんですよね。
好きなプレイやジャンルを話しながら、あるいはかわいい後輩ちゃんのことを話しながら(これは大体僕が一方的にサークルの後輩のことを話します)、とってもくだらない内容をネタに知的遊戯を楽しみながら、時々、割とびっくりするような高尚な結論に至ることもあります。そんな時、彼は照れ隠しなのか知りませんが「ブフォッ」と吹きます。「何だよ、いきなり」と耐えかねたように、です。彼は口にこそ出しませんが、僕はこういう時、彼が楽しんでいるということを知っています。奴も相当な好き者のはずです。
- ◆ ◆
さて、しょうもないことをつらつらと書いてしまいましたが、どうやらこのブログが11年目を迎えるようです。おめでとうございます。
ちなみに、僕と彼は大学1年の時に入った草野球サークルで出会い、その後に学生新聞サークルでも活動をともにしました。彼との関係も今年で9年目になるようです。
「新・時の軌跡」は、最近ではアフィリエイト狙いの食べログとIT用品紹介ブログと化していますが、僕ははっきり言って納得していません。
きっと多くの方がそうだと思いますが、このブログに期待しているのは、もっとしょうもないことのはずです。サンタコスの話とか、聖夜の話とか、そういうものの方が読んでいて面白いですよね。
安井、お前、会社の人目なんか気にしてんなよ。会社でうんこもらしまくってるくせに。
僕はこのブログが、みんなの「サロン」になればいいと思っています。
くだらないことを彼がはき出し、読者がリアクションする。
彼にはさらなる思考が要求される。その裏返しとして、僕たち読者もまた、彼に再考を要求するだけの責任が求められる。生半可なリアクションではすまされません。筆者と読者の心地良い緊張感が、双方をともに高めてくれるのではないかと思いますし、このブログはそういった緊張感に値する場所だとも思っています。
誰も何も言い出しにくいような堅苦しい雰囲気を求めているわけではありません。サークルの合宿の夜、酒を飲みながら好きな体位について熱弁をふるったように、あるいは僕と彼との電話のやりとりのように、ゆるい雰囲気でやれればいいと思うのです。
wikiの「ピンクサロン」の項に、「ピンクな話題で知的会話を楽しむこと」みたいな説明が加わる日がくるとしたら、その語源はこのブログになるかもしれません。僕は割とマジでその日が来ることを願っています。
最後になりますが、僕は安井くんに電話をかけまくっていますが、彼から電話がかかってきたことはほぼ皆無です。
彼は2012年5月の日記(http://yassui.hatenablog.com/entry/20130527/1369665577)で「今年はちゃんと電話できる男になろうと思う」と宣言しておきながら、実現できていません。それも今年は改善してほしいと思います。
では。
「新・時の軌跡」は、最近ではアフィリエイト狙いの食べログとIT用品紹介ブログと化していますが、僕ははっきり言って納得していません
まあね、最近どうもこう、自分の中身をぶちまけるようなものを書けなくなっている傾向があるとか、安易にアクセス乞食に走っていることは認める。
ただ、彼が指摘するようなアウフへーベン、ジャパニーズ的に言う止揚をする気力が衰えていることはたしかだ。
破壊を積み重ねて厚みと濃厚な文脈を作り出す、そういったこだわりが大学生時代の時と比べ失われている自覚はある。
アナルなのか、アヌスなのか、そんなテーマで1時間は語れたあの頃のリビドーを、もう一度。
彼が言うとおり、読者と管理人でクズのようなやりとりを積み重ねた末計算外に生まれるネット上の闇、新境地のような空間を果たして作ることはできるのか。
昔のmixiとかいい雰囲気だったんだけどな。それは甘えか。
あと、うんこ漏らしてるのはほんとな。
僕は元気です。
ひげが登場する主な記事。