新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

カルマ

バンプオブチキンの、カルマを真面目に聞いた。妹が友人からテイルズアビスの限定盤CDを借りてきたというので又貸し録音させて貰った。

うちの妹はミーハーで、バンプ関連のロック雑誌やらなんやら買ってるのでありがたく僕も読ませて貰っている。

カルマっていう曲を出すっていうのを前に聞いた時、1番最初に思い浮かべたのは安部公房の「壁」の第1部、S・カルマ氏の犯罪っていうタイトル。密教やらチベット仏教やらの資料を読んでてやたらと出てくるのもカルマ。人間の罪、業っていう意味に基本的には訳される。

やっぱしバンプはすごいよ。っていうか藤原基夫がすごいよ。

なんかの雑談のインタビューで、このカルマについて聞かれたとき、「人間が生まれた時から背負うカルマには、加害者側からみたものと被害者側からみたものが常に存在するし、それを1つの偏った側面から語ったりするのはいけないことだと思う。だけど、実際の人間にはどうしてもそういう部分があるわけで、2重にも3重にも重なるカルマに苦しんでしまう。例えば赤ちゃんには罪はないとかいうけどやっぱり生まれた時点で母親に世話の負担をかけたりとかするわけで、それは無償の愛でなんとかなる部分もあるけど、その負担で母親が苦しむとしたらそれは赤ちゃんのカルマだし…まあ人間が避けて通れないものなんですよね」とか答えてた…ような気がするんだよね。

「壁」で述べられてたのは、「壁は古来から人間をはばむものであり続けてきた。壁にはばまれることは常に人間にとって精神的な死をあらわした。しかしドストエフスキーによって、壁があるならそれを迂回する方法を探ればいい、という主張がなされてからは人間はより進歩を遂げた。しかし、壁をいくら迂回しても次の壁が常に人間の前にたちはだかる。しまいには壁に四方を囲まれ八方ふさがりになってしまうこともある。しかしその時人は、壁を生み出しているのは自分自身、すなわち自分こそが広大な荒野で成長し続ける壁なのだと気付く」っていう内容(まあ安部公房の場合まだまだ自分の中で咀嚼しきれてない部分があるから要旨が合っているかわかんないんだけど)が述べられている。藤原もとおの意見と共通点が少し

あるのにびっくり。

まあそれにしてもバンプは分厚いね。ここまで分厚い素養と、心に素直に流れてくるメロディーを作れる才能を持ち合わせた日本のアーティストはなかなかいない。

業界的にも、これだけ哲学的な詩の曲がチャートインするのは珍しいケースで、「異端児」的存在ともいえるのがバンプなんだとか。

詩だけではなかなか伝わらない。そこに秀逸なメロディーがつくことで詩はより多くの間口から、たくさんの人に伝わる。

こんなインタビューもある。「リリースの形態にはそれほど興味はありません。自分の中では1枚でもCDが売れればそれでいいんです。でも0枚じゃダメなんですよね。これだけ青筋たてて、必死で唄うのはやっぱり誰かに伝えたくてやってるわけだから。好きなことをとりあえずやっとけっていうのとは違う。やっぱり自分の中では人との繋がりっていうのが作品を作る上での根本にありますね」

出たよ。「つながり」

村上春樹にしてもなんにしても僕が興味の向く方向に常にあるのはなぜかこの言葉なんだよな。

人間が人間として存在して、自らをつきつめていく以上、その「間」のつながりかたを求めるっていうのはどの分野においても同じなんだろうか??

あと、カルマがテーマになってるRPGテイルズなんとかアビス。めっちゃほしくなった。曲の制作のいろんな部分に藤原もとおが関わっているらしくて、なんかもう、やりたくてうずうずしちゃう(笑)

テイルズシリーズはまだやったことないけど、アビスは受かったら即買いだな。受かったら、受かったら、受かったら、受かったら……………………………………