新・時の軌跡~yassuiのブログ~

旅の話、飯の話、リビドーの話。

電車男



荻窪には今どき珍しく、貸本屋がある。小さな店の中には恐ろしいくらい古い漫画から新しいのまで、本棚に入りきらない数がある。入り切らない本は床に(笑)うずたかく積み上げられられている。

創業40年以上くらいらしく、老夫婦だけできりもりしている店だ。

漫画は1泊2日80円、普通の本は2泊3日140円と、買うよりはお手頃な値段なので一冊借りてみた。

その本は…電車男。ドラマやら映画やらやってるけど、原作は読んだことなかったから、ちょっと読んでみようかと。

まあ2ちゃんねるの掲示板をそのまま本にしただけあって、アスキーアートと「キター!!」ばっかりが目立つけど、要点をかいつまんで読んでいけばなかなか面白いし、最後は不覚にも少し感動してしまった(笑)

まあみなさんご存知の通り、年齢=彼女いない歴の真性アニヲタガノタ声優ヲタである主人公の電車男が、電車の中で暴れる酔っ払いに物申すところから始まる。その場にいた女性から後日エルメスのカップをお礼に貰い、電車男は女性=エルメスのハートを掴むべく脱ヲタクを目指し、2ちゃんねるの住人の協力を得ながら努力するというもの。

ドラマとはかなり違う内容になってるけど、それぞれにいいところがある。

でもやっぱり共通点は、匿名掲示板にたむろする人々が、顔も知らない相手に対し優しさを注ぐところ(まあ揚げ足の取り合いの2ちゃんねるでこんなことめったにないんだろうけど)と、恋のために、ヲタクながら精一杯努力して正直に相手にふれあう電車男の素朴さが受けているんだろう。

電車男がこれだけブームを巻き起こしたのは、やっぱりそれだけ日本にヲタクが多いからだろう。また電車男の味方はヲタクだけでなく、普通にモテない男や女性に縁のない男達。そして欲望と欺瞞の波に揉まれて純粋な心に飢えた女性もこの本を手に取ったんじゃないだろうか??もちろん、この話がこれだけ世間に出て商業化されて広がったことに対して、当の2ちゃんねらー達は面白くないのかもしれない。だけどなんだかんだいって百聞は一見に如かずということで、彼らも何らかのかたちでドラマやら映画に興味を示すはず(叩くのはそれから(笑)

やっぱり支持者あってのブームだからね。世間的に迫害されてきたヲタクが反撃ののろしを上げ始めたのか。サンボマスターみたいに(笑)